まるでそうだ
明るいもの
すべてを足した
光のように
(ファンダム2でルークとロイド)
楽しそうに弾む会話が聞こえる。 小さな子供のものも混じった複数の声が楽しそうに面白そうに言葉を交わしている。 そんな光景はいつも屋敷の外にあったもので、だから俺はそんな光景がとても珍しくて、とても羨ましくて。いつの間にかそれに見入っていた。話の内容はたいしたことない世間話だったけど、でも俺にはできないものだった。話すたびにぴょこんと揺れる「はーふえるふ」だという少年の銀色がかった髪が明るい陽の光を反射している。ちかちかと目に刺さって痛い。 まぶしいな、と思った時だった。 周りの声より若干低い、楽しそうなその輪の中心にいたそいつが、俺を見た。
「何してんだよルーク。お前もこいよ」
月並みな言い方だけど、まるで太陽みたいにきれいに明るく笑ったそいつは何の躊躇もなく輪から一歩踏み出して、少し離れた位置にいた俺の腕を掴んだ。ぐいと引っ張られたとき深い海の底から引き上げられるような気がした。錯覚だけど、現実だった。
「ロイド、」 腕は引っ張られたまま呼ぶと、ロイドはどうしたと変わらない笑顔のままで振り返った。 あたたかい。 掴んだ手のひらも、笑った顔も。 「ありがとう」 楽しそうに話すその輪の中に、俺も入ってみたかった。 だけどできなかったのはいろいろな理由がある。どうやって入ればいいのかもわからないし俺なんかが入っていいとも思えなかったし、迷惑だと、思われるのが怖かったし。 だけどロイドはそんな俺の思考をすっぱり切り捨ててくれた。手を引いてくれた。 それがすごくうれしくて、それがすごくもったいないくらいの優しさだと思った。 「なんか礼いわれるようなことしたか?」 「うん。すごくした。」 「…わかんねぇけど、あ、そうだルーク、今度から仲間に入りたかったら見てないで言えよ? 俺が気づかなかったらお前一人になっちまうだろ?」 誰もお前のこと嫌いだったり迷惑だったりしないんだからな。 そう言ったロイドはなんでもないような顔をしていたけど、俺はすごく驚いた。まるで俺の心が見えてるみたいにロイドは俺が不安に思っていることを否定してくれる。欲しい言葉を欲しいだけくれる。まるでそうだ、昔ガイに読んでもらった絵本の中に出る「天使さま」みたいに。絵本の中の「天使さま」も確かロイドのように太陽みたいに笑っていた。
それをロイドに話したら「天使は俺じゃなくてコレットとクラトスだぜ?」と不思議そうな顔をされた。コレットは似合うけど、クラトスも天使だということに俺はしばらく開いた口が閉じなくなった。似合わないにもほどがある。
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